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ランチェスター通信 第95号

発行日2011.12

リーダーが身に付ける伝え方、話し方のルール

私は人前で話すのがとても苦手でした。大勢の前にいくと顔が赤くなり、一言二言話したら終わりという具合です。
反面、「人前で格好良く話せたら、いいなぁ」という気持ちを小さい頃から持っていました。
思ってはいても、自分には人前で話すなんて縁のないことだし、うまくなろうなんて思ってもみませんでした。
人と話すのさえままならない状態でした。(今でも苦手です)

29歳のときですが、50万円もする自己啓発プログラムを購入したサクセス名古屋の森さんという方から、講演のカセットテープを頂きました。
その方は私より年上で恰幅がよくいつも元気のいい方でした。
「岩崎さん、箱田忠昭さんって知っていますか。いい話だから聞いてご覧ん。名古屋市民講座で話したときのテープだから」
と言って、1本のカセットテープを渡してくれました。
私はそのテープを聞いて、すっかり箱田先生のファンになりました。
「この人話が上手だなぁ。解りやすいし、面白い。こんな話し方ができたら凄いだろうなぁ。」
話の内容もさることながら、話し方がうまいんです。それで何度も何度も聞きなおしました。
そこで私は初めて「デールカーネギー」という人のことを知り、カーネギーの話し方教室があることを知りました。
この箱田先生は、デールカーネギーコースでインストラクターをされていた方だったんです。
それでもサラリーマンでしたので、人前で話す機会もありませんでしたので、話し方を勉強するなんて考えてもしませんでした。
ただ箱田先生には会ってみたいという思いはありました。 そこで、近くで講演会がないか尋ねたところ、四日市で昼と夜と2回講演会があることが解ったんです。
その主催者が、なんと。後に私とランチェスター経営の竹田先生を結びつけた山下十三夫氏だったんです。
私にとって、山下氏は何事にも替えがたい恩人です。
講演を聞いた私は、いよいよ勉強したいと思い始めたのです。
そしてデールカーネギーコースの資料を取り寄せたのですが、当時で13万円。しかも12週間毎週土曜日の午後からというカリキュラムでした。
「うわぁ〜これは無理だ。受講料はコツコツ貯めたとしても、この毎週土曜日に名古屋まで行くのは無理だ」
そのとき勤めていたのは、自動車販売会社でまだ1ヶ月に1度土曜日が休みになる程度の時代でした。販売会社にとって土、日は稼ぎ時です。とても『休ませてください』なんて言える雰囲気ではありません。
私は、デールカーネギーコースの受講を諦めました。そこで箱田先生の講座を受けることにしました。
確か2日で9万円ぐらいしたと思います。しかも大阪です。
少しはうまくなったかもしれませんが、2日間ではまだ人前で話が出来るレベルではありませんでした。

それから5年が経ち私は転職してソフトウェア開発会社に勤務していました。その会社の土曜日は、1ヶ月に1度だけ出勤をすればよかったのです。
それでも12週というと3回土曜日を休むことになりますので、午前中だけ出社して午後からは休ませて頂くことにしました。
こうして私はこのデールカーネギーコースに入ることができたのです。12回の講座ではみっちりトレーニングができました。 講座も後半に入ってきたときです。卒業研究生として残り、受講生の前でサンプルトークというのをすることができるそうなんです。
それを聞いてからというものスピーチの練習を必死で繰り返し繰り返ししました。
なんといっても実費で参加していたものですから、もう一度コースに参加できるなんて、夢のような話です。
そして私は運よくその機会に恵まれることになったのです。
アシスタントになって初めて裏方というのがわかるわけです。正直言って、受講生で勉強できる3倍以上のことは身に付いたのではないでしょうか?
受講生の立場では、自分が話すことで精一杯でしたが、アシスタントとなると見本を示さなければなりません。
たまには、受講生にアドバイスすることもあります。
この体験を通じて私はデールカーネギーコースで教えている話し方のルールを身に付けることができたのです。
それまで、何から話してよいのか解らずに、見よう見真似でやっていたことが、ルール通りに話すことで相手に伝わることを知ったのです。それからというものこのルールに従って話をするようにしています。
ルールを知って、ルールに従って話そうとすると不思議とうまくなっていくものなのですね。

これは竹田先生から教わった弱者の戦略ルールも同じです。
戦略ルールを知ってから、経営の勉強をし経営をしていくとグングン実力が上がっていきます。
ところがルールを無視して、自己流でやっていくと天才でない限り腕は上達しません。囲碁、将棋、柔道、剣道どんなものでもこのことは一緒だと思います。
それともう一つこの経験から重要なことを学びました。
それは、受講生として参加するより、教える立場になった方が格段実力がつくということです。
それ以来私は講義を受けるときに必ず誰かに伝えるつもりで聞くことにしています。
できれば本当に講師になるつもりで聞くとよいと思います。

デールカーネギーコースでもうひとつ驚いたことがあります。それは単なる話し方教室ではなく、「人を動かす」リーダーとして喉から手が出るぐらいほしい能力を身に付ける講座だったということです。 受講してから初めて、デールカーネギーの名著「人を動かす」「道は開ける」という2冊を知りました。
いまでもオーディオ版を聞きなおします。
いくらよい戦略が立てられても、いくらいい理念をもっていても一人の力ではどうすることもできません。
人に動いてもらう伝え方にもルールがあります。
来年行なうランチェスター・ビジネス・セミナーでは人を動かすことをメインにした講座も行ないます。
部下を一人でも持っている方、営業でお客さんと接する方。 ぼつぼつ本気で考えてみては如何ですか?

孫子曰く、「国家が軍事のために窮するのは・・・」

「国家が軍事のために窮するのは、遠隔輸送のためにだ。」と孫子は言っています。
これは山本七平氏の「参謀学 孫子の読み方」の中の一文です。 その本の中で、山本氏は次のように書いています。
 戦場の大部分の日時は輸送と行軍すなわち自らの輸送に費やされるのであって、いわゆる「ドンパチ」の戦闘は一瞬だといえる。そして、国力の損耗はこの輸送の時期によって生ずる。 次のことを想像してくださればよい。不整地を全速力で走る戦車はキロ1.5リットルの燃料を消費する、ということは120キロでドラム缶1本を空にする。  
 そしてこの燃料を前線まで運ぶトラックもまた、燃料を消費し、それを港まで運ぶ船も燃料を消費し、護衛も戦闘機もまた燃料を消費する。さらにそれが途中で潜水艦の攻撃を受けて海没し、陸上の輸送路では、爆撃や機銃掃射やゲリラの襲撃を受けて、トラックともども残骸だけ残して消えてしまう。
内地を出て前線につくのはせいぜい二割弱といわれたが、もっと少なかったのではないかと思う。

ランチェスター戦略を勉強されている方なら、ピンとくるとおもいますが、地域戦略の必要性を別の角度から見たものです。 机の上で地図を広げて、簡単に
「このあたりは人口も多いし会社も多い。市場が広くて犬も歩けば棒に当るだから、行ってこい!」とか
「お客さんからの要望だ!」言って、どんどん遠くに行ってしまう。これは企業の中では普通に行なわれていることです。
ところが、戦争となるとそういう訳にはいかないようです。
日本軍の最後は、極寒地の満州から高温多湿のジャングルに持っていったことです。

普通軍隊は、一度出陣したら一旦戻って英気を養って次のところへいくものですが、まして民間が繰り返し戦場に向かうというのは異常事態です。
「やれあっちへ行け」「それこっちへ行け」などして兵士の力を無駄に浪費させ戦場へ向かわせる将軍など下の下でしょう。
「それは戦争だからでしょ」と簡単に片付けるわけには行きません。

私の販売経験では、1台車の契約を頂く商談にどれだけ早くても1時間は掛かりました。
たった1時間と思われるかも知れませんが、私にとっては大変な時間です。
お客さんに最新の注意を払い、相手のいうことを理解しながらこちらの要求を伝えるタイミングを測ります。
さらに次どのような話にしていくのかも考えねばなりません。 ここは押すべきか、引くべきか。
いろんな場面を考えて、言葉を選ぶわけです。
商談が成立したからと言って、まだまだ安心はできません。
契約したらさっさと帰りたいのは、山々ですがそんなことをすれば、やっと築いた人間関係が崩れてしまうこともあります。
1つの商談が終わって、ドアを出るとフラフラになります。
営業だけではないと思います。お客さんのところに到達するだけで何キロも車を運転してヘロヘロになって、本当にお客さんのためになるようなことが考えられるのか。疑わしいものです。
給料は時間で支払われていますので、働く方としては特に文句もありませんし、慣れたことをするのだったら返って楽なこともあります。
しかし会社の業績にとってはマイナスです。
営業範囲を決めることが出来るのは将軍である社長だけです。営業範囲は知らないうちに広がっていく傾向にありますので、何年かに一度は見直す必要がありますね。
こういうときに社長の決断力が試されます。
山本七平著の「参謀学 孫子の読み方」は戦争を中心に書いていますが、企業間競争に置き換えて書いてくれていますので是非ともご一読ください。
私のセミナーで使いたいので、古本を7冊も購入してしまいました。お読みになられた方は感想をお寄せください。

悲しいお知らせ。ニュースレター無料配布が終了

2003年12月より続けてまいりました。ニュースレターですが無料配布を終了することにしました。
ニュースレターを書き始めたのは、勿論お客さんを作るためでした。

当時私は思いつく営業方法は、一件、一件訪問して戦略社長塾に来てください。という訪問営業。
それから考えたのが、小冊子を作って興味がある方を見つける方法。FAXDMによる方法などでした。
その中でも小冊子を作る方法は、やったことがなかったので非常に興味を持ちました。
そして小冊子を作り始めたのです。
一番いいテーマは勿論ランチェスター戦略のことです。しかしまだ戦略の勉強が進んでいない状況で、経営戦略について書こうとすると竹田先生の本を丸写ししてしまうような状況でした。
そこで以前やっていたITに関することを書き始めたのです。
書き始めたのはいいですが、これが思いのほか時間が掛かるのです。
たぶん3ヶ月ぐらいは必要だろうと感じました。 しかも印刷代を調べてみると当時の私にとっては、結構高価なものだったのです。作ったはいいが欲しい人は誰もいない。
しかも頑張っても3ヶ月に一度。
これでは、とても会社が持たない。 そこで考えたのが、ニュースレターだったのです。
これならお知り合いの社長全員に配布することができます。しかも毎月でも、訪問の代わりに出せると考えたのです。
創刊号では、その当時一番得意だったIT関係のことを書きました。本来ならランチェスター戦略のことを書くべきだと思いますが、全然実力が伴っていなかったのでいたしかたありません。

こうして始めたニュースレターですが、2012年より無料の毎月配布を終了させて頂きたいと思います。
ニュースレターの発行を止める訳ではありません。アドバイスの契約もしくはランチェスター・ビジネス・セミナーの年間申込をされた方には毎月今まで通り送らせて頂きます。年間契約などの特典は同封のパンフレットをご覧ください。社内研修会、電話または訪問のアドバイス、社長塾50%引きなど最大で15万円ほどの特典が付きます。

→ランチェスター・ビジネスセミナー年間申し込み特典の詳細はこちら


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