HOME 会社概要 お問い合せ サイトマップ

トップメンター通信バックナンバー>メンター通信 第92号

メンター通信 第92号

発行日2011.9

年収の6.7倍の借入から脱出した戦略家・山田方谷

5月の終わりごろでしょうか。
ランチェスター経営さんからセミナーの案内が来ました。
それは岡山で一泊二日のセミナーでした。テーマは「江戸時代末期の戦略家・山田方谷(ほうこく)先生の大ピンチ脱出の戦略対策セミナーというものです。
2日に掛けて方谷先生のお墓参りとゆかりの地を見学して、竹田先生ともう1名の講師の方の講演がセットになっているものです。
対馬の陶山訥庵先生のツアーとよく似たもののかなぁと思いましたが、山田方谷という名前はその時初めて聞きました。
でも6月には大阪の竹田先生のセミナーに参加することを決めていましたので、「参加したいけどなぁ〜。1人でやっている会社で1ヶ月に2回のセミナー参加は厳しい。悔しいけど不参加にしよう」
しばらくして、私はランチェスター経営に用事があったので電話をしました。

  
  戦略家・山田方谷先生

そうしましたら、ランチェスター経営の中村先生が出られて話し始めたのです。
この中村先生という方は、8年前私が初めてランチェスター経営さんを訪ねたとき、丸一日ご一緒して頂いた方です。
「岩崎さん、山田方谷先生は凄いよ。陶山先生は資料がほとんど残っていないのを、うちの竹田が調べたので詳細が分かっていない。しかし方谷先生は資料が揃っているのでしっかり研究できますよ。」
私は一度諦めかけたんですが、もう一度検討してみようと電話を置きました。
それ以後直前まで迷っていましたが、「弱者は調子に乗るな!」まだまだ自分の会社はそこまで行っていない。
ジッと我慢をしたのです。
それでも何とか参加される予定の人を教えてもらい講演CDでも手に入れようと画策をしておりました。
竹田先生は自分の講演録をCD化して販売することはほとんどしません。音が良くないことや繰り返し聴くには構成が合わないらしいのです。

ところがその講演CDが出ると聞いて、早速予約をしました。
山田方谷先生は1805年に今の岡山県高梁市に生まれました。
父の山田吾郎吉は農業のかたわら油屋を営んでいて、清和源氏の流れをくみ庄屋の次の長百姓を務めていました。
3歳の頃から読み書きを習い神童と呼ばれておりました。
この農家出身の方谷先生が、藩の元締役今でいう財務大臣に抜擢されるのですから、只者ではありません。
養子で新しく藩主になった板倉勝静(かつきよ)が方谷先生を取り立てたのが1849年大政奉還の18年前。
ですから江戸時代の末期です。当時備中松山藩は、表向き5万石、実際は2万石を下回っていました。
運営も5万石で行っていたので、毎年大赤字。
遂に大阪の商人への借入金も10万両、現在のお金で100億円に膨らんでしまっていたのです。
この借金をわずか8年間で返済し、しかも100億円の利益をだしたのです。
      
         竹田先生自らの講演録は珍しい
この山田方谷先生が打った手が、ランチェスター弱者の戦略のルールどおりだったので、今回竹田先生が取り上げたそうです。
方谷先生は、最初に行った藩政改革は「上下節約」です。
藩士の贅沢を戒め、賄賂をなくし藩財政を引き締めに掛かりました。方谷先生が凄いのは、期限を切ったことです。
次に負債の整理です。
商人に藩の財政をすべて公開し、借金の返済を一時ストップしてもらい計画書を商人一人ひとりに渡したそうです。
これも異例だそうです。通常は一冊を回し読みする程度ですが、それほど熱意を伝えたかったのではないでしょうか?
次に行ったのが、産業振興です。
それもこの中国山地の特徴であるものを活かした産業振興です。例えば中国山地ではいい砂鉄が取れるそうです。この砂鉄を使った農機具を開発し全国に販売しました。
「備中鍬」は有名です。鍬の歯が3つに分かれているのを見たことがありませんか?
3つに分けることで、鍬を土から抜くときの摩擦がすくなくなり作業がとても楽になるのです。
その商品の販売方法が、それまでにない方法で藩の直営店を出したのです。
直販は、弱者の接近戦ですよね。それ以外に柚子、タバコ、和紙など特産品をどんどん作っていったのです。
もちろん失敗も多くあったと思います。
その結果藩の利益が上がり、お金が藩に残るようになってきたのです。
そこで次に打った手が、藩札刷新です。
それまで、財政難から藩札を乱発していましたので、藩のお札は信用されていませんでした。
その古い藩札を貨幣に交換しに掛かったのです。そして藩に戻ったお札を、みんなの目の前で燃やすというパフォーマンスまで行い、乱発した藩札の回収に成功したのです。
その他方谷先生は、士民撫育(しみんぶいく)、文武奨励という対策を打ちだしました。
これらの内容は、山田方谷物語というマンガになって、山田方谷生誕200年記念事業実行委員会から出版されています。
今回ランチェスター経営さんから発売される山田方谷セミナーのCDには、この本が付いてきます。
      
この講演CDでは、竹田先生が現代の会社経営に置き換えて話してくれていましたのでとても応用しやすい内容になっていました。
ご興味がある方は、ここをクリックしてください。

金持ち権兵衛、貧乏権兵衛

三重県に種まき権兵衛という民話があるのをご存知でしょうか?
以前ソフト会社にいたときに、尾鷲高校とか木本高校とか、さらに南の紀南高校へ行っていたことがあります。
その道中よく「種まき権兵衛の里」という看板をよく見かけましたが、どういう話なのか知りませんでした。
私はほぼ毎日ブログを書いていますが、ネタに困ったとき昔のことを思いだします。
このとき何故だか「種まき権兵衛」の看板が思い浮かんだのです。
「神のお告げか?」
毎日のように出来事から経営のことに無理やり結び付けてブログを書いていますが、結構きついこともあるんです。
そんなときに思いつくと、ほっとします。
         
早速インターネットで調べるとウィキペディアに出ていました。
ところが私が伝えたいと思ったこととは少々異なっていました。
そこで物語を作ったのです。そのときのブログがコレです。

 この作物が珍しいということで高く売れたのです。

それ以来権兵衛さんは、人が作っていないものを作るように

して、どんどん金持ちになったそうです。

昔種まき権兵衛さんというお百姓さんがいました。

この権兵衛さんあまり百姓が上手くなく、人が種をまけば

それを真似して、種をまく。人が水をまけば、水をまく

という具合で、いつも少しだけ遅れて作業をするものですから

人よりいいものが作れない。

それで市場に持っていっても、安い値でしか買って貰えなかっ

たんです。

そんな訳で、いつも貧乏。

貧乏だから、いい苗が買えず肥料も少なく益々悪いものしか

できなくなっていきました。

 ある年、百姓も嫌になってきて百姓をサボっておりました。

ところが食べるものもおぼつかなくなってきて、焦った権兵衛

さんは、遅まきながら種をまきました。

お陰で収穫時期もずれてしまったんです。勿論、出来も悪い。

ところがです。

この作物が珍しいということで高く売れたのです。

それ以来権兵衛さんは、人が作っていないものを作るように


して、どんどん金持ちになったそうです。

改めて読み直してみると下手くそな伝え方でした。
サボっていても運があればなんとかなるような終わり方をしています。本当に伝えたかったことは2つです。
一つは、人の真似をしていてはいつまで経っても根本的によくなることはないという点です。
二つ目は、商品をいつ出すかによって商品価値が変わるということです。これは営業地域でも、客層でも同様です。
どこで販売するか。どういうお客さんに販売するかによって価値が大きく変わるということです。
これが戦略の考え方ではないかと思います。
この時期に作物を出す方法さえ解れば、必ず価値が上がる。
それが決まれば、その実現のために経営資源を投入するということです。
勿論他社がやっていたらそれだけ価値が落ちます。
ブログでは、経営戦略だけでなく、リーダーシップ、営業力の強化などをテーマに書くようにしていますが、こんな風にブログを毎日書くことが自分自身のトレーニングになっていることも間違えありません。皆さんも自分自身のためにブログや日記を付けることを考えてみては如何でしょうか?
     
     ※こんなタイトルで書いています
  ブログはここをクリック>>>

価格競争になったら戦略を見直せ

90号、91号では、営業のあり方について書きました。
90号では、カタログを持たずに訪問し警戒心を解除する方法。
91号では、値引きを安易にさせてはいけないということについて書きました。
どうやって値引きを防げばよいのかも社内で決めておく必要があります。
最初に防がなければならいないのは、お客さんの決め台詞。
「高いなぁ〜」です。
これは必ずと言っていいほどありますね。
この呪文のような言葉を毎日営業マンが聞いたら、洗脳されてきて、売れない原因を聞くと「高いと言っています。」
まずこの洗脳から解放する必要がありますね。
売れない営業のほとんどが、「高いなぁ〜」と言われると
直ぐに「そうですか。」とうなずいてしまいます。
ちょっとましな対応でも「いくらぐらいですか?」と聞くぐらいです。
こんなときは、どのように対処するかというのを決めておく必要があります。
ひとまず相手のことは肯定しなければなりません。
「さすがに商品のことをお詳しいですね。おっしゃるように少し高い目になっております」
「ところで高いとおっしゃるのは、どういった商品と比べてでございましょうか?」
     
高い安いというのは、必ず何かと比較しているはずです。
ですので、こういう質問の習慣をつける必要があります。
何と比較しているかを巧妙に聞き出すのです。
単に口癖のように言っている人は、はっきりした答えが返ってきません。
ところが手ごわいのが最近よくあるパターンで
「インターネットで見た」というものです。
そういう場合は、
「そうですよね。インターネットは安いです。私もね。たまに購入することがあります。それでおいくらぐらい違いますか?」
とストレートに聞きます。
「丁度15%安いね。」
注意ですがこのときに、値引きを入れた見積もりを出してあるかどうかで、少々対応が変わります。定価で提示した方が後の商談はやりやすくなります。
「それぐらいの差があったら、そちらで買われますよね」
「そうだねぇ。15%も違いがあったらね」
「そうですか。それならどのぐらいの差だったら、私どものような地元の業者に発注いただけるんでしょうか」
「まあ15%とまでないかないにしろ、それに近い価 格だったらいいと思うけど」
「具体的にいくらになりますかね」
これで勝負できるかどうかが解ります。
当然負けるような価格だったら、価格提示は行いません。
「なるほど、この価格だったらそちらで買われた方がお得ですね」
いけそうだったら勿論、その場でクロージングに掛かります。
本当はこのような営業をしなければならなくなったら、今後もこの商品を販売していくべきか。また売り方を変えるべきかを見直すときです。経営者の方は直ぐに戦略の見直しを始めてください。

追伸
社内向け営業研修をしてみたいという方は、ご一報ください。カリキュラムをお送りします。

ニュースレターをお読み頂きありがとうございます

記事のご意見・ご感想をお寄せください。 ご意見・ご感想はこちら

【編集 ランチェスター経営三重岩崎】
【連絡先TEL 059-398-0123 FAX 059-398-0153 】


【連絡先】
ランチェスター経営三重
電話059-398-0123 FAX059-398-0153

ページトップヘ▲