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メンター通信 第91号

発行日2011.8

営業の心の隙間を狙う値引き癖を治せ!

先日事務所で仕事をしているとインターホンがなりました。
仕事を中断し、玄関に出てみるとヘルメットをかぶったまま仁王立ちの男性。これで2度目です。
そして前回と同じように商品を付き出し、「これ買って?」
「こいつ何!言ってんねん」
勿論追い返しました。
こういう営業をさせている会社は、社員を虐待しているのと同じです。
      

   営業マンの勝手な値引きは許してはいけません。

どうやってやれば出来るかも教えずに、結果だけを取り上げて指摘するのは虐待というそうです。
こうしてまた誤った営業の認識を持った営業が作られて、間違った営業への認識が広がっていくんですね。
どうすれば良いかというのは、紙面では語りきれないですのでセミナーに参加ください。
こんな非常識なことは、まだあります。
それが今回テーマにしたいこと
です。
私がまだセールスをしていないころです。
同期入社のセールスのM君にお客さんを紹介しました。店頭で商談をしましたので、私も立会い隣で聞いていたんです。
商談の最後のところで言ったせりふが未だに耳から離れません。
私の腹はいたみませんので、値引きしておきます
その時は特に気にならなかったんですが、それ以来何故だかそのシーンとそのせりふが忘れられません。
それから20年経って、気になっていたことがはっきりとみえてきました。
そんなことしたらあかんわなぁ。背任行為や!
その会社はどうだったのかは、解りませんが損益余裕率というのをご存知でしょうか?
経常利益を粗利益額で割ったものです。
中小企業の黒字平均で工事業6.5%製造業8.5卸売業10%、小売業6.8%飲食業にいたっては4.1%という数字になっています。

この数字は、会社の力率を表します。
会社に入ってきた粗利益は、90%が素通りして10%しか残らないということです。
ここから税金で半分取られるわけです。
一番損益余裕率が高い卸売業でも、5%しか残らないのです。
この5%で将来のための蓄積をやっていかなければなりません。
最近良く宣伝でやっているガソリンエンジンの燃焼効率は25%それでも電気自動車には効率という面では負けてしまうんですよね。
     

    経営の効率はガソリン車の5分の1の5%

これは粗利益に対する比率です。これが売上に対してだともっと厳しい。
解りやすいように商品が50%で仕入れられたとしましょう。
そうすると売上に対する税引き後の比率は、2.5%です。
ですから売上の2.5%値引きをすると数字上トントンです。
以前の自動車販売のように値引きありきの商売であればいざ知らず。一旦価格を決めてから、さらに消費税分を引いてくださいと言われて、値引きをしてしまったら赤字ということです。
これは会社に損害を与えているので、明らかに背任行為です。
ここのところを知らさずに営業に送り出すのであれば、その会社はどうかしています。
利益がない、忙しい、給料はあがらない。当たり前の話です。
もう一歩突っ込んで、考えますと仕入業者に値引き要求をしてくるところです。
いつでも、値引き要求をしてくるようなところは経営のことがあまり教育されていないようです。
暴利を取れということではありません。適正な利益を取り、その利益を将来の自分の会社へ投資する。
これを繰り返していくことが、世の中の景気をいい方向へ引っ張っていくことになるのではないでしょうか?
逆に景気のせいにして、値引きを要求するというのは益々景気を悪くするだけです。
営業が何気なく口走ってしまう値引きの原因は、会社の利益実態を知らないこと。
自分の販売しているものが、如何にお客さんに役に立つかを解っていないからです。
一度社内で話ってみては如何でしょうか?

倫理と経営戦略は二律背反と思っていませんか?

皆さんは、倫理法人会という会をご存知ですか?
私は以前からお世話になっておりますレガートの中居社長からのご依頼で松阪で話したのが最初です。
四日市では水九印刷の水谷社長から声を掛けられて、話すことになったのです。
話すと言っても、早朝の6時からのセミナーです。
寝坊は出来ないし、声も出ないし、かなり前日から緊張気味でした。他、伊賀、鈴鹿などで話す場を作っていただき、8月には伊勢志摩で話すことになりました。
直近では、7月13日のモーニングセミナーにて話をしました。
倫理法人会というのは、丸山敏雄先生が立ち上げられた会で週1回朝の6時から勉強をする会です。
内容は心構えとか精神的なところが多いと感じております。
『万人幸福の栞』17か条にまとめられたことを如何に日々実践していくかという会です。
例えば、「今日は最良の一日、今は無二の好機」という言葉です。
一応会員なのですが、まだ会暦も浅く出席率も悪いですので、違ったことを伝えてしまうかもしれませんので、このぐらいで説明は終わっておきます。(詳しくはご参加ください)
その倫理法人会7月のモーニングセミナーでチャンレジャーとして「社長の役目、社長の仕事」というテーマで話してきます。
大元は、ランチェスター戦略です。
倫理と戦略。片方はどうやって生きるか。もう一つはどうやって戦うか。かけ離れた内容ですので、受け入れて頂けるか少々心配があります。
ところが私の中では、二者択一ではなくあれも、これもなんです
経営の本質というのは、「まずお客さんを作り出し、そのお客さんを維持しながら徐々にその数を増やしていくこと」です。
しかも買うか買わないかは、お客さんが100%決定権を握っています。
粗利益の大元のお客さんに買ってもらうには、お客さんから好かれて、気に入られて、忘れられないことは必要です。

こんなちょっとバカにみえることをしようとすると自己中心的であると絶対出来ません
生来人間は自分の都合を先に考えてしまうようになっていますが、それを相手中心に考えなければならないのです。
そうするためには、日頃からそういう考え方を心がけていかなければなりません。
          
    倫理法人会のことを知るにはこの本は解り安かったです
万人幸福の栞17か条をすべて理解した分けではありませんが、なるほどという点が多々あります。
参考のために記載いたします。

万人幸福の栞 17か条

 第一条  今日は最良の一日、今は無二の好機

 第二条  苦難は幸福の門  

 第三条  運命は自らまねき、境遇は自ら造る  

 第四条  人は鏡、万象はわが師  

 第五条  夫婦は一対の反射鏡  

 第六条  子は親の心を実演する名優である  

 第七条  肉体は精神の象徴、病気は生活の赤信号  

 第八条  明朗は健康の父、愛和は幸福の母  

 第九条  約束を違えれば、己の幸いを捨て他人の福を奪う

 第十条  働きは最上の喜び  

 第十一条 物はこれを生かす人に集まる  

 第十二条 得るは捨つるにあり  

 第十三条 本を忘れず、末を乱さず  

 第十四条 希望は心の太陽である  

 第十五条 信ずれば成り、憂えれば崩れる  

 第十六条 己を尊び人に及ぼす  

 第十七条 人生は神の演劇、その主役は己自身である

ランチェスター経営戦略の勉強では、熱意願望・精神的な分野は除いておりますので、こういった勉強も入れていかないと長期で考えると上手くいかなくなります。
倫理法人会以外にも、芳村思風先生、中村天風先生などあると思いますがここでお伝えしたいのはそれぞれが補完しあうものであり、相反するものではないということです。
粗利益が高くできないものを、どれだけいい人間性で販売したとしても、その客層の相場がありますから限界があります。
皆さんも一度、この両面から考えてみては如何でしょうか?

ちなみにランチェスター経営の竹田先生の調査では、人間的な側面と経済的な側面のどちらから順番に高めた方が多いかといいますと、20対1で経済的側面からだそうです。
苦しい状況で独立し、がむしゃらにやっていたら業績がよくなってきた。
業績がよくなって少し時間が取れるようになって経営の勉強をしていったら、戦略が解りだしそして人間的側面を磨いていったら益々会社がよくなった。というパターンです。
伊那食品工業の塚越会長も、同じことをおっしゃられていました。
経営者なんだから、社会貢献を考えるより前に儲けることを考えなさい。とおっしゃっていました。
皆さんは、如何でしょうか?。

社内で一番ムダをしているのは社長である

私が自動車販売会社のコンピュータシステムの開発係だった頃の話です。
自動車の車両を管理し、そのユーザーを管理しようというシステムを構築しました。
当時は、市販のものなんてありませんから、営業マンがどういう仕事をしていて、どのように活動し販売をしているのかを調べるところから始めます。
そう言えばメーカーのセールスマニュアルとか勉強した覚えがあります。
そのシステムが完成した後運用も私が引き続きやっていくことになりました。
車両の管理ですので、廃車したり移転したりします。
細かい話ですが、私の上司からの指令で廃車をした場合は区別をしたいので「4」という番号を書いて報告してもらうおうということになったのです。
私は早速このことを18箇所の拠点に知らせます。
知らせるといっても当時はメールもないし、そうかと言って電話で知らせるというのは相手の時間を奪ってしまうので避けたいことです。
それで社内メール便という毎日部品などを運送している便に書類を乗せることになります。
朝出した便は、夕方に到着します。
見ていただけるのは、翌日とか翌々日です。
            
しばらくして私の上司が、こういったことを付け加えて連絡をしてくれ。と言い放って出かけてしまいました。
私は、同じようにメール便で各拠点に連絡をするわけです。
そうしましたら、ある拠点には伝わったが、こちらの拠点はしらない。とか。現場が混乱をし出したのです。
ある拠点の担当者などは、一体どの書類が最初でどの書類が最後なのかも解らないと言い出したのです。
運用自体も、こちらは高々区分を変えただけと思っていたのに、誤りが多く質問もよくあったのです。
それで、誤りや質問があるとそれをまとめて、例のメール便に乗せて拠点の担当者に繰り返して送りました。
私はこのとき大変重要なことを2つ学びました。
本部が一つのことを決めて、浸透させ習慣化させるまでに最低3ヶ月掛かるということ。
次に、トップが色々と変更することは、現場に無駄な行動をさせるということです。
        
気になるから直ぐに指示をしたいという気持ちはわかりますが、それがもし致命的なことでないならば、多少のことは目をつぶって我慢することです。
これは業務の話ですが、社長がよくやってしまう失敗は、部下との約束です。
それも会議の時間を変えたりするのは最悪です。
社長は自分の都合で時間を変えて、上手くいったとおもっているようですが、その実、部下は調整する為に全員が予定を変更しているのです。
社長に逆らえない社員は、黙っていうことを聞きます。
もっと悪いのが、一度指示したことを結果が出るまで待たずに変更することです。
結果が出ないと次の判断ができません。さらに部下はどうなるか。
そのうち社長は忘れてしまうから、適当にやってしまおうという気持ちがどこかに生まれて、本気でやらない体質になってしまうのです。
トップが決めたことをやらないというのが社内では一番無駄なことだと感じたのです。
皆さんは如何お考えでしょうか。

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