メンター通信 第84号
発行日2011.1
「メンターシステム」や〜めた(ただし・・・)
もう時効だと思いますので、白状します。
7年前に会社を登記しました。お金もないのに会社にしたのです。
お陰で資本金を集めるために、子供の貯金まで解約させてしまいました。(ご安心ください。既に完済しました)
当時私は45歳で、まだソフトウェア開発のエンジニアとして力を発揮できると思っていました。
食っていくために一番手っ取り早いのがソフトウェアの業界で生きていくことです。
例えば企業と1ヶ月いくらかで契約して、ソフトウェアの開発の作業を請け負うようなことをすることです。
しかしこれだと勤めていた会社と同じ仕事で独立することになります。こんなことをしばらく続けていると別の会社から声が掛かり同業他社の会社に入るということになりかねません。
そんなことになったらお世話になっていた会社を邪魔するようなものです。
初めから辞めなかったらよいわけです。
私は悩みました。
そこでまずこういったことを振り切るために会社にしようと思ったわけです。
ところが自分が何を生業にしていくのかは以前としてはっきりしません。
自分のやれることで、勤めていた会社と競合にならないことを模索しましたが結局会社設立するときになっても決まりません。
そんな曖昧な気持ちでいたのに会社名を決めなければなりません。
そんなときに気になっていた言葉が「メンター」という言葉です。
メンターとは助言者とか指導者という意味です。それに今までやっていた仕事のシステム開発のシステムというのを合わせただけです。なんとまあ安直な付け方です。
この会社設立の話が進んでいる頃に、ランチェスター経営の竹田陽一氏と出会ったのです。辛口の竹田先生は、私に会うなり「メンター」なんていうお客さんが聞いて何かわからない名前を付けては駄目だよ。
「名前を変えなさい。」とまで言われました。
当時の私は「はぁ〜」と言うしかありませんでした。
それ以来会社名については、気になりながらも仕事を続けていました。
そんな中今年の8月にランチェスター経営で行われたホームページの研修に参加してからホームページの見直しをずっと考えています。
私のホームページへのアクセスはランチェスター経営のホームページからのアクセスが一番です。
そこでランチェスター経営のホームページをユーザーになったつもり覗いてみました。
すると「三重県」という言葉がぜんぜん出ていなかったのです。
こんなことでは、地元三重県に経営戦略を伝えていくことは出来ないと考え始めました。
この仕事を始めたときは、「生活のために」とすがる思いでしたが7年間ランチェスター戦略を勉強して、皆さんにお伝えてしてきたので多少は自信も出てきました。
そこで、まずインターネット上から三重という言葉を発信することにしました。
以前札幌の代理店会議で竹田先生にお会いしたときに相談をしたところ、「ランチェスター経営岩崎」とかにしたらどうかと言われたのですが、恐れ多くてとてもそんな気にはなれません。
そこで早速電話を入れて、「ランチェスター経営三重」という名前で、まずインターネット上から始めようと思いますと伝え、了承を得ることに成功しました。
よくよく考えると今までは、直接私とお会いした方ばかりで一々三重県と名乗らなくてもよかった訳です。
ところがインターネット経由で私のことを知る人は、三重県であることも知らないし、ランチェスター戦略についてもよく解らない人が見に来てくれるわけです。
「怪しい奴やなぁ」なんて思っているかもしれません。
今までお付き合いしていた方々とは全く違う人たちです。
インターネットを使って集客するというのは、今までの方法とは売り方が違うという単純なことではなく、その客層も違うということにこのことで初めて気付きました。
現在は、「lanchest-mie.com」というドメインを取得したに過ぎない状態ですが、徐々に「ランチェスター経営三重」という名前を発信していく予定です。
なにせ、人はいない、お金はない、時間もないという会社ですので一つ一つ変えていくしか方法がありません。
カメの歩みのようですが、形にしていく自信もあります。
それは天才コンサルタントのドラッカー経営名言集に次のような言葉載っていたからです。
皆さんは会社の革新をどのように進められていますか?
http://www.lanchest-mie.com/
既にこのURLでは表示されますが、今までのホームページと同じものです。
Emailも isao@lanchest-mie.com で届きます
■企業は革新する
革新は、ごく緩慢にしか進行しないことを、経営者はよく銘記すべきである。今日、各業界で指導的地位を占めている多くの会社は、四半世紀以上も前に先輩たちが断行した革新によって、今日の地位を得ているのである。現在世間ではあまり知られていなくとも、着々革新を行なっている会社は、やがて業界の指導者となって立ち現われるであろう。今日、繁栄している会社の経営者はとかく安逸をむさぼり、一世代前の人たちが革新を行なって蓄積したものを食いつぶしながら生きてゆく危険がある。したがって、いかなる事業も革新の領域において十分な活動が行なわれているかどうか、つまり先人の蓄積をさらに大きくしてゆくことができるかどうかを徹底的に検討してみる必要がある。
『現代の経営』より
葉っぱビジネス横石社長は弱者の戦略だった
十一月に三重県中小企業家同友会の経営研究集会に参加してまいりました。
私は創業時から入会させて頂いて大変お世話になっている経済団体です。
中小企業の経営者の集まりで、自分達で運営しているので大変ですが、お互いから学ぶことが多いので多分続けられているのだと思います。
今回の記念講演は、鰍「ろどりの横石社長です。
最初、いろどりと聞いて、どんな会社?
と思ったのですが、葉っぱビジネスと聞いてピンときました。
高級料亭の料理などに添えられる綺麗に彩りされた花や葉っぱがありますが、そのつま(妻)の葉っぱを販売している会社です。
始められたとき、花は売られていたそうですが、葉っぱは料理人が自分で取りにいっていたそうです。
誰もやっていない商品に目を付けた訳です。
弱者の戦略戦わずして勝つというルールに則っていました。
鰍「ろどりは徳島県の上勝町にあり、その葉っぱの生産者が平均年齢70代のおばあちゃんたちで年商2億6千万円という会社です。マスコミでよく取り上げられているのでご存知の方もおみえになると思います。
講演は、「成功したのはこの5つなんです。」という言葉から始まりました。
@流れ A仕事 B仕組み Cプロデューサー D舞台
いい流れを作れた。
上勝町に県庁から派遣されたとき、上勝町の方々はいわゆるマイナス思考だったそうです。
「助成金を取って来い」「よそ者に、町のことが解るか」否定的な悪口ばかり、極めつけは子供に
「あんた勉強せんかったら、この町に残らんならんよ」
自分たちの町に誇りが持てなくなってしまっていたんですね。
これをいい流れにすることが出来たそうです。
講演では葉っぱビジネスのことだけでしたが、それまでに上勝町で営農指導員として他のビジネスを手掛けられて売上を上げてこられていたのです。
(お客が増えるプロダクション お客が増えるNo12より)
どうやって否定的だった人たちを横石社長の言われる「出来ないという出口(答え)を持たない」という考え方に出来たのかが不思議だったので、講演後質問をさせて頂きました。
横石社長から発せられた言葉は、
「最高のホストだったから」という答えでした。
おじいちゃん、おばあちゃんのことを知り、おじいちゃん、おばあちゃんのやってほしいことは何かを情報収集して考えたそうです。
例えば、朝7時に起きる人に6時に注文の電話をしたら機嫌が悪くなるし、さあ仕事を始めようという時に注文を出したら喜びます。皆さんも経験がありませんか?
よい経営者は、社員とお客さんを喜ばせる名人ですね。
これは私の想像ですが、心を開かせたあとよいところを内でも外でも、言うということをしたのだと思います。この順番を間違えると逆効果です。
次にお年寄の居場所と出番とそして仕事を作ったのです。
ボランティアと称して、居場所と出番を作ることはお金さえあればできないことはありません。
横石社長の凄いところは、仕事を作ったということです。
地域で町づくりとか、お年寄のボランティアなどよく協議されていますが、助成金が切れた時点で終了してしまうと聞きます。
その違いは、お金になる仕事に結び付けていないからだと思います。しかも主役はあくまでおじいちゃん、おばあちゃんでこちら主導ではないということです。
講演では、どのぐらい1日におばあちゃんが儲けているというのを本物の数字を見せて頂きましたが、凄い金額でした。多い人は町長より年収が高いそうです。
このとき気づいたのですが、補助金や手当てなど人からいくら貰ってもお金って使わないんですね。
自分が仕事をして、将来も続けてお金が入ってくるという保障がないとお金なんて使う気にならないんですね。
もしこれが何もしなくてお金を貰って当然と思ってしまうようになってしまったら重症です。
企業に置き換えるとお客さんが買って当然、下手をすれば
「こんなに忙しいときに注文を出すなよ!」なんて、言っている人がいたら最悪です。
3つ目は仕組みです。
コンピューターシステムで、現場との距離を如何に近づけていることを言われていました。
経営者は現場を見るということと現場に入るということを混同してしまうと失敗してしまいます。
現場を見るは、現場を診るにしないといけないのかなぁと感じた次第です。
4つ目は、プロデューサーです。横石社長は何か課題を与えられたとき、こうなれば成功するなということがわかるそうです。
私は経営戦略について勉強し伝えていますが、戦略を持っている人と持っていない人の大きな違いは、勝てる(ここでいう成功する)と自分で納得できないことはやらないということです。
景気が悪くなってきたり、業績が悪くなってくるとこのことが如実に現れます。
戦略のある人は、将来どういう風になれば、会社が良くなるか。ビジネスがうまくいくかをイメージできたものだけにエネルギーを集中させます。
成功すると信じ込んでいますから、どんな障害があってもどうしたら出来るかを考え続けることができます。
だって、その障害をクリアできれば成功するのですから。
葉っぱビジネスの場合は、「つま(妻)」が料亭でどのように使われているか。どのように選ばれているのかを知れば絶対に成功するという確信があったそうです。
ですので、板場を無断で覗き込んで大変な目にあったり、自分の給料をすべて料亭通いに使って最後には通風になるまでのめりこんでいけるんだと思います。
最後は舞台です。
舞台についてはこんな表現をされていました。
駅のホームなどでみかんを4個〜5個網の袋にいれて販売していますが、これをもっと売るにはどうすればよいか。
まずみかんを舞台の上に上げるために、みかん君と呼びます。
みかん君の舞台はどこか。
電車の中で、対面シートで向かい合っているところを創造してください。
そこにみかん君が登場するわけです。
まず4個、5個も食べられない、かといって持って帰るのも不便。
1個か、2個入りにしたら少々は高くても買うという考え方です。
講演も素晴らしかったのですが、たまたま実行委員長の東海テクノ市田社長に、「あんた2次会参加して」と実行委員でもないのに参加させていただき、しかも隣の席でジックリ話を聞かせて頂きました。
その時の話は、さらに深い話で本当に運がいい時間を過ごすことが出来ました。
頂いたご縁を意味があるようにしたいと思います。ありがとうございました。
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