メンター通信 第61号
           発行日2009.2
		   
         悩みを解決するための魔術的公式
		   
         昨年十一月末、携帯に自宅から電話がありました。長男が怪我をして救急車で運ばれたのです。 
           お蔭様で年末1回目の手術を終え退院してきました。 
           退院はしてきたものの松葉杖を付いて、1月末までリハビリに通院をしなければなりません。 
           ところが足を地面に付いてしまうとまた手術ということになりかねませんので、バスで通院は難しくと家族で話し合った結果、タクシーで通院することになりました。 
           いざ始めてみると毎回現金で何千円を支払っていかなければなりません。長男は就職しているとはいえ、まだ未成年、1ヶ月分まとめて支払ができないかと模索しておりました。 
           
           そこで、私はタクシー会社に電話をしてみたのです。
           
           事情を話して、「1ヶ月分をまとめて支払できるようにできないでしょうか」 
           そうしましたらけんもほろろに、「現金しかやっていない。」でした。仕方がないのでインターネットでタクシーチケットのようなものがないか調べて別のタクシー会社に電話をしました。 
           電話をしたのは2社ほどですが、電話を受け付けた人が全くこういうシステムを知りませんでした。私はインターネットを見て話していましたので、プリペイカードのようなものや、クレジットカードのようなものがあるようですがと誘導尋問までしても、「ちょっと待ってください」の繰り返しでした。 
           結局、どの会社も面倒くさそうな対応で、なんとかこの電話を切りたいというのはみえみえでした。 
           なぜ、そう思ってしまったかと言いますと、こちらの事情を一切聞こうとせずプリペイドカードはこういうものだとか、クレジットはこういうものだとか。説明するだけなのです。 
           私の要望は、2つです。 
           @1ヶ月まとめて支払をしたい。A保険のため領収書が欲しい。たったこれだけだったんです。 
           別に先に払っても良いし、それほど難しいことではないと思うのですが、結局私の要望は受け入れられませんでした。 
           タクシー会社にしてみても、空の車を走らしていることを思えば、1ヶ月確実に使ってくれる客なのになんて馬鹿な対応をしているなぁ。と少々憤慨してしまいました。 
           
           しばらくして、家内に「現金を用意せなあかんなぁ」と言ったら「あれね。まとめて払っていいと電話があったよ」 
           いともあっさり、けんもほろろに断ってきた最初のタクシー会社から電話があったのです。 
           私は思わず。「不景気っていいねぇ」なんて思ってしまいました。 
           なぜ最初から、「事情はよく分かりました。少し検討させてください。」と言ってくれないんでしょうか。私は不思議で仕方がありませんでした。 
           たまたま他の会社の対応が悪かったから良かったもののよくお客さんが逃げていかなかったものです。 
           「不景気だ。この先どうなるんだろう。」なんて思いを巡らせるのもいいですが、経営の基本が全く出来ていないということがあるのではないでしょうか。 
           ちょっとしたことでいいんです。お客さんの立場になって考えることですね。 
           例えば、こんなことがありました。 
           私は複写ハガキというものを使っています。 
           複写ハガキを書くには、ブルーのカーボンが必要になります。 
           最近はあまり使われないので、置いている店がありません。そこでいつも10枚まとめて注文をするのです。 
           ところが消費するのも遅いので、「どこで注文をしたか」をいつも忘れてしまい店を探しまわる始末です。 
           年末私はそのカーボンを買いにいきました。 
           支払いを終わって、先程のことを思い出し店を忘れてしまわない工夫をしようと 
           「すいません。電話番号をその袋(10枚入りの)に書いて頂けますか。」 
           そうしましたら 
           「えっ?電話番号ならレシートに書いてありますが」事情を説明しても返ってきた言葉は、「分かりました。市外局番なしでいいですね」
           
           私は、携帯電話を良く使うので市外局番3桁ぐらい書いてもいいじゃないか。と心の中でつぶやいて「いいですよ」と答えました。 
           私は帰ってから、その店の名前と市外局番を付け加えたのです。 
           
           その店員さんは決して悪気があった訳ではありません。いつもの癖で言っただけだと思います。それが私は返って怖かったのです。 
           いま経営が置かれる環境は誰も体験をしたことが無い状況です。 
            
           
           もしそんな状況に悩んでいたら、空調業界を開発した天才技師ウィリス・H・キャリア氏が実践した『悩みを解決するための魔術的公式方法』に従ってみるのも一つの方法です。 
           一、「起こりうる最悪の事態とは何か」と自問すること。 
           二、やむえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること。 
           三、それから落ち着いて最悪の状態を好転させるよう努力すること。 
           (デールカーネギー道を開けるより) 
           私の場合この3つの質問の結果は、 
           基本に戻って顧客対応を位置から見直す。 
           ランチェスター弱者の戦略を効果的に伝える。 
           この2つにたどり着きました。結局基本に戻るということでしょうか。(笑)
           皆さんは、如何でしょうか。 
   
昨年末にお金を掛けず売上を36%向上させた法
  今年度より四日市商工会議所さんが行っている地域力連携拠点事業のお手伝いをさせて頂いております.
    この事業はいろいろな企業さんの相談に無料で乗るわけですが、私は業績を上げるとか。営業に関することなどが特に多くありますす。 
    昨年の9月に商工会議所さんから、「刃物屋さんなんですが、この夏ぐらいから特に業績が落ちてきてなんとか打つ手は無いか。」という連絡がありました。 
    指導員の方に、話をお聞きするとそのお客様は以前にも専門家の指導は受けたが、あまり効果がなかったので、それほど期待はしていないとのことでした。 
    裏を返すと「即効性のある対策はないか」ということだと私は思いました。 
    こういう場合は、ひとまずお会いしてみて、どういうストーリーで進めれば信頼してもらえるかを考えます。 
    それが思い浮かばなければ、残念ながら私の能力ではそれ以降お役に立つことはできません。 
    その時は、まず経営の原則を整理しながら、考え方が概ね合っているかを確認しました。 
    運よくその社長さんはご理解をして頂けそうでしたので、営業戦略を立てることにしたのです。 
    12月末の商戦に向かって、まず初めにしたことは重点地域を決めることです。 
    この重点地域にある対策を打ちました。 
    それはこの刃物屋さんの特徴を聞いていくうちに、気づいたことですが、それは私が次のような質問をしたときです。 
    「他の店で売っているのと、ここで売っている包丁ではどう違うのですか?」 
    
    「切れ味が違うし、包丁の試し切りというか。通常はパッケージに入っているので実際に手に持って、しかも刃物の専門家の相談を受けながら買うことはできませんね」 
    「あっ、そうですか」 
    「それなら、切れ味がいいことを感じてもらって、実際に触ってもらえばいいわけだ」 
    そんな訳で、「体験講座をしましょう。」ということになりました。 
    講座は以前も行ったことがあるということでしたので、課題は集客です。 
    既存客への告知はダイレクトメールで行うとして、新規のお客さんをどうやって集めるかが問題です。 
    普通の広告では当然ダメだと思いましたので、皆さんの中でも御存知かもしれませんが、神田昌典氏の感情マーケティングという手法を使うことにしました。 
    お客さんの立場に立って、困っていることをまず問題提起します。 
    その問題提起によって、そのチラシに目を止めてもらう方法です。 
    料理をする人が困るのはどういったことか。を考えるわけです。 
    私は全く料理ができません。ですがありがたいことに同行して頂いた四日市商工会議所の指導員の方がベテラン?の主婦だったのでアドバイスを頂きながら、話を進めました。 
    「硬いものに力一杯入れて切るのは怖いです。」 
    「だったら切ったものが繋がっていたりするのも、ちょっと避けたいですね」なんてやりとりしながら出来た最初のアイキャッチ用のコピーが『なんで、このネギつながっているの!?』でした。 
    続いて呼びかけです。 
    『お料理が大好きな奥様と包丁で困っている奥様へ朗報』 
    そして本題に入っていきます。 
    『いつも通り包丁を使っているはずなのに、切れていない。この間包丁を研いだのにもう切れなくなっている。そんな経験はありませんか。これは奥さんのせいでも、切れないネギのせいでもありません。』 
    こんな具合です。 
    
    結果は、予定人員12名を超えた結果になりました。 
    の講座を10月に開催し、12月の売り出しに突入した訳です。 
    
    この年末売り出しの広告の校正を全面に渡って行う時間がありませんでしたので、考え方だけ伝えて後は社長と広告代理店の方にして原稿を作ってもらうことにしました。 
    その内容を私の方でアドバイスするという形でした。 
    私の採点では68点というところでしたが、なんとこのチラシが対前年36%のアップだったのです。 
    う〜ん。偶然かもしれません。(笑) 
    そんなことがあり、しばらくしてその方のお知り合いからも四日市商工会議所さんへ連絡がありました。 
    今度は楽器屋さんです。 
    詳しくは紙面ではお伝えできませんが、毎年休眠客にハガキのダイレクトメールを出されていたそうですが全く反応が無かったそうです。そのハガキを先程の要領で書いたところ、45通出してそのうち2名の方から直ぐに注文の電話があったそうです。 
    その後フォローの電話をしたところ、3名の方が検討中だそうです。私はこの結果が出た一つの理由は一貫してランチェスター弱者の戦略に基づいて考えてきたからだと確信しています。 
    その戦略のコンセプトは、接近戦です。 
    つまりお客さんに一歩近づくということです。 
    例えばお客さんの気持ちになる。実際にお客さんに説明する機会や商品を作る。チラシに呼びかけを入れる。似顔絵を入れる。買い物以外にお店に来てもらう理由を作る。 
    まあ間違っても、自分の会社の顔が見えない、しかも価格だけしか比較できないチラシは出さないことですね。 
    これから本当に良い会社にしていくには、この後の顧客維持活動がとても重要になってきます。 
    お客さんと接する部分を徹底的に見直し、継続的にお客さんと接触する機会を作り、自社の特徴や特色を知ってもらう機会を多く作ることをだと思います。 
    勿論、自己中心的ではなくお客さん本位で、です。 
    そのためには、経営者の方は社員さんとの接し方を性善説にしなければなりません。 
    兎に角経営者は、大変です。今は特に。 
    そんなときに、今回利用させて頂いた四日市商工会議所さんの地域力連携事業は役に立つと思います。 
    
  ご紹介します。今の景気だからこそ役立つセミナー
  「小さい会社が勝ち組になる法」(1位作りの経営戦略) 
    あなたはどうやってこの状況を切り抜けますか! 
    日時:2009年2月24日(火) 18時半〜 
    場所:四日市商工会議所 3F 中会議室 
    「福岡市の歓楽街・中州に的を絞り、大成功した究極の地域戦略」 
      福岡市で不動産業を始めたものの、折からのバブル反動不景気と、福岡では人脈が無かったことの2つが重なり苦戦の連続。起業から十一年目で従業.員一人当りの粗利益が「1300万円」を上回る迄になった。 
  
      日時:2009年6月5日(金) 18時半〜 
      場所:四日市文化会館 第3ホール 
      懇親会:グリル四日市 
      詳しくは、パンフレットまたは弊社までお問合せください。(電話:059-398-0123)  
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