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メンター通信 第56号

発行日2008.8.25

約束が、どうしても守れません。

昨年の9月中小企業家同友会でタニサケの松岡会長に講演をして頂きました。
私は、主催者として講演依頼をしたのですが、二つ返事でOKを貰いました。
その後、お会いしたときに「私は先優先で予定を入れていくから、予定が空いていればOKするようにしている」おっしゃっていました。その記事がタニサケレポートに載っていまして、ずっと気になっていたのです。

「先約優先」 文:タニサケ 松岡 浩会長
私は時々、会合の世話役を引き受けています。
先日、ある会合に参加すると意思表示をされた、A経営者が直前になって、世話役の私に不参加との連絡をしてこられました。理由をお尋ねすると、別の用件ができたからとのことでした。
私は約束を破ることは、ほとんどありません。先約優先(先にした約束を優先し、その時間帯には他の約束を入れないこと)を心がけているからです。約束を破ることは信用を失うことです。「商人失格」「経営者失格」のみならず「社会人としての失格」につながります。(以下略)

この文章、約束を守るという当たり前のことを言っているのですが、結構奥が深いのです。
約束を平気で反古(ほご)にする人などいません。ところが約束を守るというのが場面、場面で出来なくなるのです。
例えば、私は仕事柄よくセミナーのお手伝いをしたり、自分自身でセミナーを開催したりすることがあります。
その中に、無料セミナーというのがあります。

私にも無料セミナーの案内というのが届きます。無料となると「行けたら行こう」と思って一応関係のありそうなものは、申し込んでしまいます。
他の予定が入ってきても、最初のうちはその日を避けて調整をしていきます。
ところがその日が近づいてくると考えるわけです。
どうしよう?本当にこのセミナーで時間を割いて得なんだろうか?
もし、もっといい(自分にとって得な)予定があったら、そちらにしよう。
そして遂にその日が来ます。
その日は、たまたま朝から仕事が立て込んでいて思うように仕事が進みません。すると次のように考え出します。
「まあ無料だし、やることは沢山あるんだし、取り合えず今回は見送ろう」
そして、ドタキャン・・・・
こんな経験ありませんか。私も随分ありました。
ところが社長がこんなことを続けていると、とんでもないことが起こるということに気づいたのです。
これは違った見方をしますとセミナーの直前まで自分自身の予定を決めない方法です。
大した予定が入らなかった場合の保険のようなものです。
その日の予定を曖昧にするわけです。
この方法は一見よさそうですが、これを繰り返して変な習慣が付くと次のようなことに陥ります。
お金を頂いている得意先に対しては、なんとか予定を守ろうとしますが、弱い立場の社員、仕入先、家族(私もそうですが)に対しても曖昧してしまうのです。
そして社員、仕入先、家族の予定をしょっちゅう変更することになるのです。
社内そして家族からは約束を守らない優柔不断な人という烙印を押されるわけです。
家族は諦めてくれるかもしれませんが(私の場合これです)社員や仕入先はどうでしょう。
「あの人の言うことはよく変わる」つまり信用のできない人にということになります。
こんな状況で、戦略だの、経営方針などと言っても「どうせしばらくしたら気が変わるから間際まで何もせずにしよう」

「動いて、文句言われるのは、損」まあ損とまでは思わなくても、今にまして仕事をするのは止めておこう。
これを解決するのが先約優先です。
「無料でもセミナーに行くと判断したら、これは変えない!」とするのです。
その後、内容のよさそうなセミナーがあったらどするのか。
縁がなかったと、諦めて次のご縁を待つことです。
自分から求めてないセミナーに参加したとしても得るものは少ないですから。それほど損失はないと思います。
お客さんとの打ち合わせが入ったとします。
すると「すいません。その日はどうしても外せない予定が入っているのですが、他の日はありませんか?」と一応は聞きます。
その日に来てくれないと、取引停止になるというクレーム以外は、だいたい他の日程でよいはずです。
ここで「ちょっと待ってくださいね。」とか言って、予定を調整しようとしないことです。
これが決まってきますと、社内、仕入先、家族、他の活動なども、参加できる言ったら必ず参加し約束を守れるようになります。

さらにするか、しないかを即座に判断できるようになります。
こういったことを続けてくれると社員は楽です。
相談ごとがあったら、予定を先に入れればよいわけです。しかも社長からは約束を破ることはないので、信頼が増します。
さらによいことは、平等に扱ってもらったという気持ちになるということです。
とはいえこれを守るのは大変難しいです。
たとえば十一月九日私は既にお客さんのところへ行く予定が入ってしまっています。
この予定は暫定的に決定したものですが、そこへ松阪の中居さんから、養心の会の例会の知らせがありました。
その講師が、ハガキ道の坂田先生だったのです。私ははがきのセミナーをすると必ず話すのが複写はがきです。
お恥ずかしい話ですが、坂田先生の講演のテープはお聞きしたことはあるのですが、生の講演は初めてです。
その方が松阪におみえになるので、是非ともお会いしたいと思ったのであります。
先約優先を守るのは本当に大変です。
しかし、社長がこれを守ろうとすると組織がよくなります。
従業員100人以下の会社の業績は98%社長で決まるわけですから、その大元(おおもと)の社長が一度決定した約束をしっかりと守れば、「社長は言ったら必ず実行する」と社員さんは思うわけです。
この積み重ねが大きいんですね。積み重ねが・・・・
こうして信頼が生まれた後に、目標掲げたときに全員が協力をしてくれるのです。
まず社長という軸が決まり、それに向かって全員が職務を遂行すれば、誰が考えても業績は良くなるに決まっています。
勿論その前に、自社にふさわしい目的、目標、そして戦略を社長が勉強して決定することが必要ですが。

北島選手2つの金メダルに見えたもの

8月約3週間に渡って、北京オリンピックが行われましたが、皆さんはご覧になりましたか。
オリンピックと言えば、私は東京オリンピックで、その中で印象に残っているのは、重量挙げの三宅義信選手の金メダルです。
姪の三宅宏美選手が北京オリンピックに、出場しています。
さてその北京で圧巻だったのが、なんといっても北島康介選手の平泳ぎ100m、200mの2冠そして2連覇です。
私は、優勝したときの表情に着目しました。
100mのときはノルウェーのダーレオーエンが予選で高記録を出し、接戦を征しての優勝。それを表すようにタイムは、0.29秒差でした。
そしてその時の喜びの表情が凄かった!
インタビューでは、あの強気の北島選手が涙ぐんで、しばらく話せないぐらいで、よほど感無量だったに違いありません。
一方200mの方は、1.24秒差。と圧勝でした。
同じ金メダルなのに、あまり喜びの表情はなくどちらかというと責任を果たしてホッとしたという感じに受け取れました。
勿論世界新が出なかったこともあるとは思います。
この200mの優勝インタビューを観て、北島選手は金メダル(1位)を取るためにだけに厳しい練習をしてきたのではないと思いました。それほど、喜んでいなかったのです。
それに比べると100mの凄いこと。この対照的なシーンを見て、自分が認められることというのはこれほど人を感動させ、しかも相手があって初めて自分の存在感を感じるものなのか。そう思いました。
「何が言いたいか」といいますと、他人がいないと自分という存在は、半減してしまうということです。
北島選手はそれをよく解っているのか。200m優勝のインタビューでは、「優勝できたことに感謝します。」と言っていました。
流石に一流は違います。
もう一つは、200mのラスト50mで北島康介選手が自分の記録と戦っていたシーンです。

我々凡人は、相手に勝ちさえすればよいと思ってしまいます。
他人と比較してたまたまほんの少しだけ上に行っただけで満足してしまいます。時には慢心してしまうものです。
ところが超一流は違います。過去の自分と戦っていたのです。
北京オリンピックでもう一つ得られたことがあります。
 
体操で個人総合銀メダルとを取った内村航平選手の母でありコーチである周子さんのインタビューです。そのお母さんへの「小さい頃から今のように前向きだったか。」という質問の答えです。
「最初はそうでもなかったのですが、目標が出来てから我慢が出来る様になってきたみたいです。」
この言葉は、人を育てるということでは意味深い言葉でした。
達成感や喜びを感じるのは、その苦労が多ければ多いほど、また自分では出来ないと思っていればいる事ほど達成したときの喜びは大きくなります。
ところがそれを達成するには、今までの自分を変える必要があります。辛抱がいるということです。
幾多の苦難に立ち向かうその源泉は目標にあったということです。
「人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ」とはデールカーネギーの言葉です。
サンリの西田文郎先生曰く、「スポーツ選手の厳しさに比べれば経営なんて簡単だ。世界一にならなくても1万位に入ればその地域では凄い経営になれる」
皆さんはこのオリンピックから何を得ましたか?

中日臨海バス森川社長(企業秘密13の徳を語る)

社内コミュニケーション診断のインタビューを行ってきました。
今回は中日臨海バスの森川社長です。
社名に臨海と入っているので、以前から疑問に思っていたのですが、会社の沿革を聞いて納得が行きました。
最初旅館をされていたそうです。
四日市のコンビナートに仕事にこられる方がお客様だったそうです。
そのお客様のから、コンビナートまで送迎バスが無いので送って欲しいという要望から臨海工業地帯の送迎バスというこの仕事が誕生したのです。
竹田先生が講演で話されていた「お客さんの困っていることで、人がやっていないことをすると強いものが見つかる」というその言葉通りです。
着実に業績を伸ばされて、現在社員数は367名だそうです。

社内コミュニケーション診断をされたきっかけですが、既に社内でアンケートを取られていたそうです。
しかしそれには客観性がなかったので、平成19年にコミュニケーション診断を申し込まれたそうです。
その内容から、再度コミュニケーション不足が課題だと悟られました。
今回のインタビューでは、その対策を具体的にどのように行っているかという企業秘密を教えて頂きました。
森川社長は、よく勉強される方で特に日本創造研究会に力を入れられています。
現在は13の徳目という小冊子を利用して、朝礼で人材育成をされているそうです。
ホームページの「ウィクリートーク」では、この辺りのところも詳しく話してもらって頂いています。
森川社長ありがとうございました。

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