トップ>メンター通信バックナンバー>メンター通信 第32号
7月22日土曜日私の母校である鈴鹿高専の交流会がありました。 私は、勉強はあまり得意ではなかったので、要領よく卒業できただけですので、学校にはあまり縁が無いものと卒業後思っていました。 ですので最初は、一回だけどんなのか覗いてみようと思っただけでした。 そのときに、先輩からも声を掛けてもらえました。 その中には、私が所属させて頂いている中小企業家同友会の副代表を務めてみえる橋本電子の橋本社長や旭電気の小中常務もおみえになり、凄い人がいるもんだなぁと感じまました。 確か発表者は、マイクロキャビンの大矢知社長でした。 他の先輩方の面白い経験も話してもらい、これなら次も参加してみたいなぁと感じたのでした。 そしていつの間にか発表者にもなっていました。 諸先輩方に声を掛けれられ調子に乗って会社訪問をさせて頂き、大変いい思いをしました。 そこでこのことを後輩に継承していかなければならんと思い立ち、出しゃばった訳です。 今回は、砂原さん、田中さんという後輩の話、続いてULエーペックスの上島社長の話と3名の方に話して頂きました。 上島さんの話は冒頭から、ひっくり返りました。 「なんで独立したか。失敗しても失うものはないし、仮に失敗しても、その失敗が誰かの知恵になり、ああいうことをしたら失敗するという手本になればいい・・・こんなぐらいの気持ちで独立した・・・・」 あれほどの人ですので、勝算あり!でやっているのかと思いきや。 駄目もとで始めていたんですね。 「人と同じことしていたら、大企業が勝ってしまうわな」 これは、弱者の戦略そのもの。私は勉強して学びましたが、こういう人は、初めからわかっているんですね。 その弱者の戦略を展開していくスケールの大きさは、私にはとても真似ができない。そう思いました。 でも弱者の戦略のセオリ通りに、経営しているのが凄いです。 応用するとはこういうことだよ 「ブレーカーってあるよね。 あれは危険がくると飛んで、安全を確保する回路やわな。 それを応用するというのは、 例えばプロジェクトがあるとしよう。そのメンバーに前向きな人間ばかりを入れたら、どうなるか。 報告は、順調です。頑張ってます。 こんな言葉ばかり返ってくるはな。 そんなときに、気の弱〜いメンバーを一人入れておくんや。 そうするとそいつは、いつも心配で仕方がない。 そいつの顔色をみとれば、そのプロジェクトがうまく行っているかどうか解かる。これが応用や!」 つまり習ったことを同じ分野で、適用しても本当の応用ではないというのです。 全く違う分野で、適応して初めて応用したことになるということでした。 訓練は誰でも必要なんですね。 以前に浦島太郎の話や、桃太郎の話はしたかもしれませんが、今回はコブ取り爺さんの話でした。 一人目のお爺さんがコブを取られて、帰ってくるのですが二人のお爺さんが、行ったとき前の日にコブを取ったにも関わらずなんで鬼はそれに気づかなかったか。 もし話をつじつまの合うようにするには、どうしたらよいか? 上島さんは、こういうことを考える訓練をしてきた。 とおっしゃっていました。 何のために仕事をするのか。まず自分のため、次に会社のため、最後にお客さんのため、そして社会のため。 このことを考えるのに、座禅を組んだり、思考を重ねたりして考え出したというのです。 上島さんは、私には想像もつかない発想をする方ですが、それを訓練によって磨いてきたというのが私には、衝撃的でした。 いままでそれほどまでに物事を真剣に考えてき たのかというと残念ながらそうではありません。 経営という知的な仕事を担当しておきながら、繰り返し考えない。 真実は何か。そしてそう思ったら実際に確かめてみる。 思い起こせば、竹田先生によく言われることですが、それを自分で実践されている方に出会えて、私は本当にツイていると感じざるを得ませんでした。 よき出逢いを与えて頂き、感謝しております。
私は中小企業家同友会という経済団体で勉強させて頂いています。 この会では毎月例会という勉強会をしております。 今年の十月の例会は、フジゲンの相談役横内祐一郎氏に講演をして頂きます。 皆さんは、グレコというエレキギターをご存知でしょうか? エレキギターで、超一流のメーカーです。 それが日本の楽器メーカーとは全然知りませんでした。 エレキギターやフォークギターで、よいものは舶来品と思い込んでいたのです。 そのグレコを造っているメーカーがフジゲン、富士弦楽器だったのです。 ソニーの盛田氏が、トランジスタラジオを単身アメリカに渡り、成功に導いたように、横内氏もアメリカに単身渡り、ギターを売り歩いたのです。 そんな横内氏の講演の話が持ち上がり直ぐに、黒田モータスの黒田社長に話しましたら、(私が名刺に24時間受付を入れるときに相談に乗って頂いた社長です)NHKの「ラジオ深夜便」という番組に出演したらしく、この人の話はいい!と絶賛でした。 黒田社長の話によりますと、横内氏は、最近体調を崩されて 講演が中止になったそうです。 黒田社長は、残念ながら聞くことができなかったとのことでした。 今回の講演も、体調が戻ればという条件ですが、なんとか実現に向けていきたいと思います。 例会の担当ということもあり、私は、早速横内氏の書籍「運を掴む」を購入しました。 書籍には、そのギターを販売する以前に、従事していた農業をしていた頃の話から、載っていました。 当時飼っていた乳牛からは一日に約20リットルくらいしか出ない。何とかそれ以上に増やそうとした。興味を持ったら本当のことを知りたくなる性格らしく、当時2000円もした書籍を購入して研究しようとするのだが、全部英語で書かれていて何もわからない。 あまりにも勿体無いので、もう一度押入れから出してきて、ぱらぱらとめくっていると写真が目に付いた。 その下の英語から徐々に訳していったそうです。 このように始めた勉強の結果、36リットルの乳を出すことに成功した。 当時18リットルぐらいしか出ないと思っていたのが、育て方によっては、2倍の能力を発揮した。 私はこのくだりを読んで、この人の会社経営の源泉はこんなところにあるのではないかと感じました。 粘り強く、育て上げる。その結果、何倍にも実を実らせることができる。 そんな信念を感じずにはいられませんでした。 その後横内氏は、農業と決別し三村氏と出会いバイオリンを販売しようとします。 しかしマーケットリサーチの結果、ギターを売ることになる。 出来立てのギターを担いで東京へ売りに行くのであるが、リサーチ通りギターの販売に成功する。 しかし、ここからが大変、多量に取った注文を、どうやって作るか今から考えるのである。 決してよいとは、思わないがやると決めてから、どうやったら出来るかだけを考えるのは、とても重要だと思います。 会議などを開くとややもすれば、できないことをならべたてる人がいます。 「あれはダメ、これはダメ、うちらの業界ではダメ。それは私にはできません。 今の自分に出来ることで、儲かることを探して来てください。」 結局のところ、自分は今までと変わらないで、成果の出ることを教えてということになります。 それは無理でしょう。と言いたくなります。 横内氏の話に戻りますが、昭和39年ついにフジゲンはエレキギターをアメリカで販売することになります。 言葉も話せない異国に乗り込み横内氏は、販売を始めるわけですが、アポイントが取れない。 言葉がよく解からないのに、どうやってアポイントを取るのか。 悩み苦しんだ横内氏の前に現れたのが、老紳士。 この方の好意で、自宅に泊まらせてもらい英語の特訓を受けるのである。 こういう人のことをメンターって言うんですね。 これで英語に自信が付いた横内氏は、ニューヨーク、ダラス、ニーオンリンズ、マイアミと回り注文も20万ドル(当時1ドル360円)にも達した。私が初めて横内氏の話を聞いたのは、このアメリカへ渡っての話でした。 こんな厳しい苦しい話を、あっけらかんとユーモアを交えて話す横内氏の講演は聞いていて、どれだけの勇気をもらえたことでしょうか。自分が苦労なんて思っていることは、恥ずかしくて人になんて言えなくなりました。 今回本を読むことで、横内氏の魅力はその後のフジゲンの経営時代にあることを知りました。 世界一のギターを作るには、「その作り手の人間性がどれだけ高いかということが重要だ」と気づかれたことです。 その人間性を育てるのは、社長でしかない。 横内氏も電話のかけ方、整理整頓、掃除、返事と直すべき点はたくさんあったと言われています。 電話はいったい何のためにかけるのか。いちばんすばらしく聞こえる「もしもし」というのは、どんなものか。 無愛想な「もしもし」しかいえないような会社に、人の心を尚ませるような音をつくりだせるだろうか。 挨拶とは、なんだろうか。などなど 追求をしていったのです。 もう一つ感じ取れたことがあります。 苦境に立たされたときに、必ずビジョンを掲げるということです。 人間は弱いもので目の前の問題にだけ目が行くとどんどんマイナスの方向に行ってしまうものです。 しかし、横内氏はその都度ビジョンを掲げ、全員が目指す方向を指し示すのです。 どれだけ仕事に興味を持ち、前向きに考えて行動できるかが、その会社の将来に大きく影響するのでしょうね。 世界一の企業を目指して、頑張りましょう。
「社長は、自分がよいと思ってる。ところが社長は意外と何もわかっていない。」 そう話してくれたのは、三重郡菰野町に本社を持つ轄イ野鉄工の佐野社長です。 そんな佐野社長が、行われたのが、今回ご紹介するRCS(社内コミュニケーション診断)です。 最初は、なんだか社員の本音を聞くのが怖いなぁと思ったそうですが、悪いところがあれば直して、良いところがあれば続けていけばいい。という気持ちで診断に踏み切ったそうです。 診断の前半は、マークシートでの設問ですが、最後に自由意見記入欄があります。前半の設問によって、自由意見記入欄にいろいろと書きたくなるようになっているようです。 佐野鉄工さんの診断の結果ですが、なんと満足度が7段階評価の上から2番目のA、しかも自由意見記入率が96.5%と素晴らしい成績です。 これだけの成績でもやはり意見を読むと憤りを感じる内容もあるそうです。 「これだけ一生懸命経営をやっているのに、なんで!」 そう思ったこともあるそうです。 そしてこの結果をどう処置してよいか。 6ヶ月悩んだそうです。 そして総合カルテを読み直し、「改善行動委員会」を立ち上げたそうです。 この委員会は、若手中心で後に「佐野の未来を考える会」となり、朝礼のやり方から始まり、社内教育、休暇についてなど多くの意見がまとめられました。 そのうちできることは、すべて意見を聞き入れて実現したそうです。 皆さんも勇気を出してチャレンジされては如何ですか?裸の王様にならないためにも。 詳細・申込は同封の資料を参考にして下さい。 (但し資料は三重県の企業様のみ)
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