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メンター通信 第28号

発行日2006.4.25

スキーのターンは、経営の基本

もう随分前になります。
私がスキーを始めて、4年目ぐらいの時でしたでしょうか。
もっと上手くなって、モテたいという願望から、八方尾根のスキースクールに入りました。
そのとのインストラクターが
「八方に来たんだから、ギャップを克服してもらわないといけませんね」といいながら、山で一番大きなコブのところへ連れていかれました。その先生いわく、
「スキーの言葉に、ウムシュタイゲンという言葉があります。
ターンをする時にスキー板を踏みかえることを言います、つまり事前に準備する必要があるのです。」おっしゃっていました。


我々素人は、ターンするとき、目の前に迫ってきてからカーブしようとするので返って速度が増し転倒するのだそうです。
パラレルターン(スキー板を平行にしたままターンする方法)をするのを遠くから見ていますと、板が全く開かずにターンしているようにみえますが、実は直前で少し開いてからターンしているということです。
「上手くなると、それが体重移動だけでできるようになる。
これがパラレルターンです。」と教えて頂きました。
スキーに限らず、この事前準備を怠って行き当たりばったりで、失敗することはよくあります。
経営でも同じことが言えるのではないでしょうか。
これは間接的に聞いた話ですが、宮崎本店の宮崎社長が、
「業績がええ時に、なんでようなったのかわからんだら、怖いわな」
理由は、悪くなった時にどうしたらよいか解らないからです。
事前にこういうことをしたから、転倒せずに回れたということが分かっていないと、ギャップを克服することができないのです。
このスキーの話で興味深いことがもう一つあります。
上手い人ほど事前準備をさりげなく気づかれないようにしていることです。これも経営とよく似ています。成功している経営者の話を聞いても、中々自分でやれないのもうなずけます。
さて「成功とは、準備とチャンスの出逢いである。」言いますが、チャンスだけで成功した人は、繰り返し成功できません。
個人の人生であれば、まあそれもよいかもしれません。
しかし会社となると自分の人生が終わればそれで終わりと言う訳には行きません。
自分がいなくなっても、会社を継承していかなければならないわけですから。
そうなると経営トップがやらねばならないことは、
まず迫りくる将来を見据え準備をし、チャンスと出逢わせることです。そして社員と共に力強く実行し、その成功体験を通じて、どうすれば成功するのかということを共に学ぶことです。皆さんの会社は如何ですか?
成功体験が出来る習慣が出来ていますでしょうか?
もし心当たりがないのであれば、今すぐ始めてください。
その第一歩は「社長の役目・社長の仕事」は何かを改めて整理をすることです。

夏目漱石坊ちゃんの故郷に和製ベトガーを発見


今年の始め、私はかなり体調が悪く咳に悩まされていました。
元々消極的な私は、体調が万全でようやく人並みのパワーが出るようです。
そんなところへ、松阪の中居さんからメールが入りました。
松山のコンサルタントの勉強会に参加しないかというお誘いです。3月か4月ということでしたが、決断がスグ出来る状態ではありませんでしたので、時間を頂きました。
多少迷いましたが、4月なら多少は時間も取れるかと思い気乗りせずに参加を表明しました。
その後、宿をとり飛行機のチケットを取りしていくうちに、行こうという気持ちが徐々に固まってきました。
しかし当日までこの出張が自分にとってよいのか。悪いのか。
分からないまま出発することになったのです。
それは四月一一日のことです。
昼にセントレアに到着した私は、早速中居さんに連絡をし、昼食を一緒にしました。勉強仲間の竹内さん、中原さんも一緒でしたので、なんだか元気が出てきました。
やはり積極的な人と会うと元気をもらうことができます。
まだまだ自分の会社のこと、特に営業にパワー投入しなければならないのに、こんなところまで来て2日も使うのはいいのだろうかという気持ちもさすがに打ち消されていました。
セントレアから松山への飛行機は、プロペラ機でしたが、私は始めてだったので、えっ?こんなんで本当に飛ぶの?というのが正直な印象でした。
松山に着くと馬場先生じきじきに迎えに来ていただき早々に喫茶店でご挨拶です。
松山でプルデンシャル生命に勤められている大西さんという方も同席されました。大西さんはプルデンシャルの営業マンで年収1千万はあるという方だそうです。
そのときにプルデンシャルの営業の方法について教えて頂きましたが、全く教科書通りで感心しました。

リチャードキャンベルが開発し、フランクベトガーが発展させた再度訪問方式そのものだったのです。
再度訪問方式と言いますのは、次のような手順を踏んで行う営業のことです。

  1. 初めて見込客とあったときは見込客に警戒心を与えないようにセールス活動は一切しない。
  2. 見込み客の情報を集めて問題点を探し出すと共に、人間関係づくりを中心にする。
  3. 見込み客から得られた情報をもとに見込み客の抱えている問題を検討した後ニーズがあると思われたなら二回目の訪問を行う。
  4. その人が気づいていない問題点を明らかにし次にその解決策を提案する。
  5. そして商品の説明が終わると必ず出てくる見込み客の不安や反論を取り除きながら契約に持ち込む。

大西さんは、見込客に、1回目はこういうことをし、2回目の面談ではこのようにし、3回目では契約の話をする。
決まらない場合は、何回までフォローすると決めていました。
さらに感心したのは、紹介をもらうときの手順です。
本当に、マニュアル通りです。
これがまず第一に松山で得られた収穫です。

さてその対談が終わった後ですが、我々の目的であるハガキコミュニケーションセミナーの見学をしました。
それで驚いたのが、一人数万円を払って30名ほどが勉強に来ていることです。
会社で費用を負担してもらっている人もみえたようですが、ほとんど個人負担ではないでしょうか?
何よりも一番驚いたのが、皆さんの表情です。
研修を受けに来ているという辛い切羽詰った感じが全く無く、本当に、皆さんで集まることを楽しみ、そしてハガキでコミュニケーションを取ることが楽しそうな表情をしてみえました。
私は、どちらかというと警戒心の強いところがあり、人見知りしてしまうタイプですが、ものすごくリラックスできました。
これが2つ目の収穫です。
私も是非楽しく学んで、成果の出るセミナーを実施していきたいと感ぜられずにはいられませんでした。
私はその晩近くのホテルに泊まり、早朝からハガキを書きこの2日間の出張の成果を噛締めておりました。
この機会を与えて頂いた中居さんに感謝です。
そして道中、励ましを頂いた竹内さん、中原さんに感謝しています。
今度は経済的にも精神的にも余裕を持って研修に参加できるようになりたいと思っております。
やはり積極的な人と付き合いますと得られるものは大きいですね。

神様でも、ここまでやっている

松山から帰った翌日のことですが、私が所属させて頂いております中小企業家同友会の総会に参加してきました。
これまた消極的な気持ちで申込をしたのであります。
出発は、四日市8時で開催地は鳥羽国際ホテルです。
終わりは夜の9時に四日市に戻るというスケジュールです。
一人で仕事しているものにとっては、松山を合わせて3日間の会社休業はかなり厳しい選択です。
朝はバスで鳥羽に向う訳ですが、朝一番からラッキーなことがありました。
宮崎本店の宮崎社長が隣に座って頂けたんです。
宮崎社長は、勿論尊敬していますが、とても真似は出来ない人と いうのが私のイメージです。
ラッキーというのは、新鮮な情報を頂いたことです。
宮崎社長は、大前研一氏とメル友だそうです。
それでその大前研一氏のパーティーに参加してきたということでした。名刺を見せてもらいましたが、橋本大二郎さん始め蒼々たるメンバーが集まっていたそうです。
その中で、グッドウィルの折口氏も参加されていたそうで、あのジュリアナ東京の仕掛け人、その後しばらく厳しい状況にあい今は介護の世界で活躍されている方です。
その介護の折口氏が保育室を手がけているということです。
現在全国で第4位ぐらいに位置づけているそうですが、なぜ少子化のこのときに保育室なのかということが問題です。
少子化と聞くとパイが縮小し、大問題なのですが、現象の受け止め方によってチャンスとなるようです。
子供の数は少なくなるのですが、その子供に掛けられる一人当たりのお金は数倍になるはずです。
政府がこのまま放置しておくことはありませんので、少子化対策でお金が下りてくる。おじいちゃんおばあちゃんはこれまで以上に孫にお金を使う。
そうすると一人当たりの金額が2倍や3倍ではきかなくなることになります。目の前でお金が動いていくのに指を咥えて待っていることはないというのです。
少子化を嘆くのか、少子化をチャンスと見られるのか、この辺りが成功する人と、しない人の違いです。
さらに、折口氏は既に準備をしているのです。
今は4位ですが、これからグッと頭を出してくるようです。
成功者はちゃんと先を読んで準備していますね。こんな話を聞かせてもらいながら、バスは伊勢神宮の外宮に到着しました。
私は、伊勢の古市を散策するコースにエントリーしてありましたので、伊勢古市参宮街道資料館に向いました。

伊勢古市参宮街道資料館

?古市は、川柳に『伊勢参り大神宮へもちょっとより』とうわたれたように、往来で賑わうにつれ、参宮を済ませた人々の精進落としの場として、江戸の吉原・京の島原と並ぶ三大遊郭の一つに数えられたそうです。(ガイドブックより)

資料館に向うバスの中でガイドさんが『おかげ参り』には全盛期に半年間で約450万人の参宮者があったとおっしゃていました。
そのとき真っ先に考えたのが、どうやって450万人もの人を集めたんだろうかという疑問です。
いくら神様だといっても突然450万人が現れたわけでもなし
ガイドさんも、最初は参宮者も少なかったともおっしゃっていました。
それが資料館で聞いた話で、すっきりとしました。
実は、外宮と内宮のお参り札を全国配る役割の人がいたそうです。
一日に40キロほど歩き、日本全国津々浦々に行き「お参りにどうぞ来てください」とコツコツ言って歩いたそうです。
しかもその制度が現在の株式制度のようになっていたのではないかと考えられているそうです。
私はこれを聞いて、こんな昔から仕掛け人といいますか、現在で言うマーケティングをしていた人がいることに感銘を受けました。
神様でも、ここまでやっているのに今の自分にはまだまだ努力するところがあるのでないかと思います。

そのときの出逢いが人生を変える

3月から4月に掛けて消極的になっていたにもかかわらず多くの人と出逢いの場所を与えて頂き、自分が積極的に変られていくのを感じた一ヶ月でした。
私の友人が以前、こういう質問をしてきました。
「ワタシとはなにか?
ワタシの手、ワタシの体というけど、その私とは何処にあるのか?」
世の中は相対的なもので、自分以外全く何も無くなったら、自分自身の存在そのものも無いのではないかと思います。
人間の場合、人と出逢い、人を認めて初めて自分の居場所が見つかるのではないかと感じています。
これは経営戦略を考えるときも全く同じだと思います。
居場所を自覚できるまでは、とても長い時間が掛かると思いますが、それまで精進していきたいと思います。

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