メンター通信 第25号
発行日2006.1.25
小が大に勝つ営業戦略
前回のニュースレターでは、テレビ広告をどのように使えばよいかということを、書きました。ところが知名度の無い会社が、広告でイキナリ商品を売ろうとしても、反応はほとんどありません。
そこで、フランクベドガーが発展させた再度訪問方式を広告宣伝に応用した方法をご紹介しました。
これをまとめますと
- 広告は、商品に関心のある見込み客発見だけに的を絞る。
- 見込客が見つかった後は見込客の警戒心をやわらげ、信頼さるための手を打っていく。
- 見込客の警戒心が少し薄れた後で、見込客が不安を持たず、買いやすい価格を出し、安心できる販売をする。
- 一度商品を買うと、お客さんは親近感を持つようになるので、その後徐々に高額商品をすすめていく。
(ランチェスター経営 営業戦略ビデオテキストより)
この方法で、さぁ!売れるぞ!
ちょっと待ったです!
「それにしても、そんなチマチマしたことやれんわなぁ。」
そう聞こえてきそうですね。
そうなんです。
前回のテレビ広告で、ある程度の成果は出ましたが、これを続けていくには、どうしてもコストが掛りすぎます。
営業戦略の目的が、単に粗利益を上げることであればこれでよいのですが、
その都度宣伝でお客さんを探す方法は
とても手間ヒマが掛りお金も掛ります。
一度来て頂いたお客さんは、繰り返し来てもらえるようにしなければ、コストが掛りすぎて仕方がありません。
そこで再度、営業戦略の目的を定義しますと
『新しいお客さんを見つけ出すこと』です。
単に粗利益を稼ぐことではないことをくどいですが書いておきます。
少し話はそれますがこの二〇〇六年という年は、日本でビジネスをしていく人にとって大変は年の始まりとなりました。
人口減少の問題です。
現在でも、物余り状態で、提供側が売れそうな商品を探してきて紹介すればある程度売れる時代でないですね。
数有る競争相手から、自分のところが選ばれなければならないというビジネスをする側にとってはとんでもない状態なんです。
選ばれるには、選ばれる理由が必要になります。
もう一つは、選びやすくなければなりません。
この選びやすくするのが営業戦略とでも言いましょうか。
さて、ここで営業の中心的要因をまとめておきましょう。
- 目標を明確にする
- 目標の中で、関心が高い見込客を見つけ出す。
- 見込客に商品をすすめて契約する。
- 納期を競争相手よりも早くする。
- 顧客の対応も競争相手より良くする。
- 一度取引したお客さんから継続して何回も注文してもらうようにする。
- 契約したお客さんから、別の見込客を紹介してもらう。
(ランチェスター経営 営業戦略ビデオテキストより)
この一番目の目標を、明確にするというのが、とても大切です。
私は、就職して初めての給与は手取り7万でした。
中学時代の同級生と飲みに行くことになりました。
ちょっと調子に乗った私は、
「みんなで次の店に行こう!」
「全部おごり!」
そして店を出たら、顔の知らない友達の友達までいました。
店を出るなり、不平不満が続出です。
有り難うの一言も無いんです。
こちらは、すっからかんになっているにもかかわらずですよ。
その時の教訓
おごるときは、一人に集中的におごれ!
小さい会社は、経営の資源が限られてきます。
それを総花的にばら撒けば、効果は全くといっていいほど出ません。
この記事でお伝えしたいことは、次の2つです。
一つは『目標を絞る』
もう一つは、『広告宣伝の目的は、お客さんを作ることにある。』
私の方で、行っている営業戦略ではこのような勉強会をやっております。お問合せ下さい。(059-398-0123)
世の中で最も高い知識とは
昭和62年私が結婚した年ですが、ある人から「新しい目標に向かって」というタイトルのカセットテープを頂きました。
当時私は、既に29歳になっていましたが、自分に自信を付けるために自己啓発の勉強をしていました。
そのカセットを聴いて
「うまい!こんな話し方してみたい」
思わず手を叩いてしまいました。
その先生こそ箱田忠昭先生です。
どううまいのかと言いますと、話がどんどん頭の中に入ってきて記憶に刻まれていくような感じなんです。
そのときの私の仕事は社内のコンピューターシステム開発を行っていましたので、講演をしたいなどとは、全然考えていませんでしたが、その先生から学びたいという気持ちで一杯でした。
ついに私は、会社を休み大阪まで研修に行ってしまいました。
2日で9万8千円。サラリーマンにしてはかなりキツイ金額です。案の定、参加されているのは大企業の方の企業派遣ばかり、実費参加は私ぐらいでした。
こんな17年前の出会いが今になって活きてくるとは、思いもよりませんでした。
営業というとどうやら、うまいこと言って商品を売るということを皆さん連想するようです。でもその前にやらなければならないことがあります。
『営業の前の営業』といいますか。
人間関係を良好にすることです。
人間関係を良くするには、人間のことを知る必要があります。
- 人は知らない人には、攻撃的、批判的、冷淡に対応する。
- 人は会えば会うほど好意を持つ。
- 人は相手の人間的側面を知ったときに好意を持つ。
ご存知の方もみえるかもしれませんが、ザイアンスの法則というものです。私は箱田先生から初めて教えてもらいました。
では、「人は知らない人には、攻撃的、批判的、冷淡に対応する」
というのは、どのように応用するかですが、訪問営業を例に取りますと、新規開拓の心構えに当てはまりますね。
私が最初失敗したことです。
33歳で初めての営業。一体どうやって営業してよいか解らないので、兎に角一軒一軒カタログを持って訪問をしました。
結果は惨憺たるものでした。挙句の果てに2回目の訪問をどうしてよいかが解らなくなりました。
知らない人には、攻撃的になるのですから、攻撃されてノックアウトされるまでに戻ってくるということですね。
初回訪問で一番気をつけなければならいないことは、自分が何を話すかではなく、相手が嫌がっているかどうかの表情を観ることです。
2つ目の「人は会えば会うほど好意を持つ」
これは、ランチェスターの営業戦術の原則
「営業力=訪問面会回数の2乗×質」で訪問面会回数をまず増やすと言うことです。
この回数を増やすと言うのは、お客さん一人に対しての回数ですので、「兎に角訪問して来い!」ということとは、ちょっと違いますね。
私は、この訪問面会回数というのを接触回数と読み替えています。
それから、もう一つ売りだけの接触は、接触とはカウントしないようにしています。
これはこちらの都合であって、お客さんと自分との関係を強くするということになり難いからです。
そして最後は「相手の人間的側面を知ったときに好意を持つ」です。
私がアドバイスをしますと、必ずといって良いほど検討するのが自社のミニコミ誌を出せないかということです。
先日も創刊号の原稿を見せて頂きましたが、ほとんどの方が最初に犯すミスは、何か役にたついいことを書いてやろうと、一所懸命調べるのです。
そうするとどういう文章になるかいいますと、論文か政治家の演説のようになります。
お勧めするのは、自分のことを書くことです。
例えば、どういうきっかけで今の仕事を始めたのか。
どういう出来事で、今の考え方を思いついたか。
つまり自己開示することですね。
でも、訪問のときは、なるべくやめた方がいいですよ。
自分の話をしても、興味を持ってはくれません。人は、自分のことに一番興味がありますから。
孔子は2500年前
「価値が高い知識、それは人について知ること」だといっています。
全ての産業はお客さんがいて初めて成立しますので、経営で最も高い知識は、お客さんについて知ることになります。
人間ついて科学的に研究しては如何でしょうか。
箱田先生にお会いしたい方は、3月4日にセミナーをしますので、ご参加下さい。
申し込みは、FAXまたはホームページで
→http://www.i-mentor.jp/hakoda/sem.htm
ダメなリーダーの10ヵ条
年末年始心を入れ替えてランチェスターを勉強しよう。
とちょっと張り切りすぎました。
正月明けから体調を崩してしまいました。
以前も竹田先生のビデオを一日中見ていて熱を出してしまったことがあります。
今年は、営業戦略に始まり、組織戦略、リーダーシップの戦略とビデオを20本ぶっ続け観て力尽きました。
その中で、リーダーシップの戦略の冒頭で
ダメなリーダーの10ヵ条が掲げられていました。
かなりドキッとしますので、心して読んでください。
ダメなリーダーの10ヵ条
- 大声でガナリ立てるだけで中身が無い
- 部下の仕事振りや出来事に無関心
- 大昔の話を昨日のように言う
- 部下を指導して伸ばそうとしない
- 実力は無いのに変に自信を持っている
- 自分の実力の低さに全く気付いていない
- 部下でもやれる仕事をにぎり占め、部下に任せようとしない
- 改善の提案をすると上司に対する批判と受け取り、変に上げ足を取る
- 自分の枠組みから外に出ようとしない
- 大事なことは決めずいつも曖昧にしている
この10ヵ条を読んで、顔が浮かんできた人は要注意です。
10ヵ条に4つマルがついたら用心すべき人になり、5項目にマルがついたらリーダーとして落ち目の人で、6項目マルがついたら、いない方が会社のためになるリーダーになります。
上司の実力が高いと部下の
- 仕事に対する動機付けがえら得られる。
- 仕事で良い指導が受けられる
- 実力がグングン伸びる
上司の実力が低いと部下が
- 仕事に対する動機が得られない
- 仕事で良い指導が受けられない
部下の実力がまあまあでも、上司の実力が高いと実績が上がります。部下の実力は高くても、上司の実力が低ければ実績が上がりません。
下手をすると退職者がでます。
結局、もっと良い人材が欲しいと考えるのはリーダーの実力が低いということになります。
考えさせられたビデオでした。
戦略社長塾(商品対策)
商品対策の目的は一位の商品作りにあります。
1位の商品か競争力の商品を作るためには世の中で流行っているものや、人のやらないものを作ればよいといものでもありません。
自社の経営力と強い相手の経営力を相対的に比較した上で、
どの商品で1位を目指すかと、
商品の数や種類はどうするか
を決める必要があります。
結構、相手の経営力というのが、見えていない場合が多いのです。
商品対策と言うのはとても大切ですが、それと同時に、どの地域で商売をするか、どういうお客さんを相手にするかというのはもっと大切になってきます。
ホームページでも、別の角度で考察しておりますので、ご覧下さい。→ http://www.i-mentor.jp/
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